大正10（1921）年に開通した軽便鉄道で、播州赤穂駅から有年駅までの間の約12.7キロメートルを運行していました。設置された駅は、播州赤穂・坂越・根木・真殿・有年の5駅で、それぞれの駅間に砂子・目坂・周世・富原の停車場が設けられていました。なかでも有年駅は、山陽鉄道有年駅に隣接し赤穂と山陽鉄道をつなぐ中継点となり、地域の人々の足として、また赤穂で生産された塩の輸送など、地域の発展に大きな貢献を果たしました。昭和26（1951）年に国鉄赤穂線が開通すると、その役目を終え廃線となりましたが、その軌道跡は道路などに姿を変えながらその面影を残しており、塩を運んだ軽便鉄道の軌道の跡をたどることができます。