左側の階段に人頭大の石が集中して見られます。これは、この上に配置された出丸と呼ばれる曲輪の石垣を1901～1903(明治34～36)年に撤去して階段を整備したために、石垣の裏込め石が露出したものです。
したがって本来は正面に高い石垣があり、ここで折れ曲がって後方にある二ノ門へ向かうルートしかありませんでした。
後方の階段を登ると「三丸」と呼ばれる曲輪となります。『浜田城石垣絵図』によると、この「三丸」から山頂の本丸までの石垣には全て塀を廻らせ、「三丸」から山麓の中ノ門までの間にある石垣には塀を設けていませんでした。浜田城は周囲からよく見える山頂部周辺にのみ塀を巡らせた「見せる城」とも評価できます。